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『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』1988 スウェーデン ◎

マイライフ・アズ・ア・ドッグ(「裏の窓から眺めてみれば」さん)

本当にいい映画に出逢った。生涯のベスト10にはもちろん入ると思う。

少年イングマルは病気の母親と、愛犬シッカンと離れ離れになって、田舎の親戚の家に預かってもらうもらうことになる。その後母親は死んでしまい、愛犬シッカンの行方も生死も、不明。
そんな状況の中、いつもイングマルは夜空を見上げながら、「スプートニクで打ち上げられたライカ犬に比べれば、ボクの人生は、まだましだ。」なんていつも自分に言い聞かせてます。悲劇のヒーローぶる事もなく、前向きに負けないぞ!等と頑張るわけでもなく、小さな胸に抱えてる痛みに気づかないふりをして、何となく淡々と毎日を過ごしている。でもやっぱり、いつかは現実を受け入れなくてはいけない日がくる訳で…。

そんな少年の日常が割りと、淡々と描かれているんだが、少年を取り巻く、登場人物がいい。
善人も悪人も出てこなくて、田舎の親戚の家の人たちとか、学校の子達も、普通で、別にイングマルをいじめたり、つらくあたる事もない。
お母さんはヒステリーだし、お兄ちゃんはいじめっ子だし、おじさんはおっぱい星人で、お祖父さんもスケベだし、普通にいそうな人達で。
特に寝たきりのお祖父さんがおかしくって、しょっちゅうイングマルを呼びつけては、本を読んでくれるよう頼むのだが、それがエロ小説ならいかにもだが、女性用下着の広告の文章を読んでくれるよう頼むのがおかしい。ただのスケベじゃなくて、本物のフェチって感じで。

そして、イングマル役のアントン・グランセリウスという少年が、奇跡的な魅力で、この役を演じるために生まれてきたとしか思えない。(言い過ぎかもしれないが) ヨーロッパ映画の子役って何で、自然でとてもいいんだろう。
病気のお母さんに迷惑をかけないようにと、愛犬シッカンと家出して、野宿しようとするが、ぼやを出してしまい、結局、お母さんにもっと大迷惑をかけてしまったりする不器用な少年イングマルにピッタリで、怒られたとき・からかわれたとき・嬉しいとき等に見せる、あいまいな笑顔が何ともキュンとくるのよ。

スウェーデンって北欧なのかな?日本人の感覚に似てる。怒りたいときに怒ったり、嬉しくても素直に笑ったりできない、喜怒哀楽の表現が苦手なところが。特に子供なんてもっとそういう所があると思う。
自分自身の状況・環境について、すぐ人と比較したり、あの人に比べればまだ、ましかなー なんて考える子供独特の感性も、私もまさにそうだったから(いまだにそんな考え方しちゃう)、その鋭さに驚いた。
ラストは胸が締め付けられて、ホロリときたが、観終わって、後から思い出すと涙があふれてきました、そんな大切な素晴らしい映画です。

マイライフ・アズ・ア・ドッグ

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