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2005年1月 9日 (日)

[映画] 肉弾 (1968)

非常によかった。

思い出されるのはやはり大西巨人の『神聖喜劇』だ。
どちらも、戦争とか、軍隊とかいうものが
いかに愚かなものであるかということを、絶望的な喜劇として
描き出している。
要人とか有名人ではなく、末端の一兵士の視点から
描いているところも共通している。

「神聖喜劇」の主人公は常人離れした記憶力を持った男だったが、
こちらは平凡な若い青年である。
名前も与えられていない。
ナレーションでは常に二人称で「あいつ」と呼ばれている。

戦争を扱った映画でありながら、じめじめした暗さはない。
妙に軽くて笑える場面も多いが、笑った後で少し悲しくなるという感じだ。
主人公のやり場のない怒りに強く共感できる。

ナンセンス、ドタバタ、漫画的。映像の途中で辻まことの
漫画が挟まれたりもする。
実験的表現で、アートな雰囲気もちょっとあるんですな。
変に深刻な戦争映画より、むしろ伝わってくるものがあります。

大谷直子はかわいかった。
田中邦衛がハキハキしゃべっている!普段のあれは演技かよー。
この映画の笠智衆もすばらしい。北林谷栄と古本屋の
老夫婦を演じている。


肉弾

日本 1968年

監督:岡本喜八
出演:寺田農、大谷直子、天本英世、笠智衆、北林谷栄、春川ますみ

肉弾(ビデオ)
岡本喜八監督作品

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