[映画] 赤い天使 (増村保造)
増村監督独特のテンポのよい展開。
この映画の若尾文子は毅然としていてうつくしい。
入院している兵士に犯され、怒ってその兵士を退院させるが、
後にその兵士が大怪我を負って再び病院にやってくると
懸命に救おうとする。
そんな極限状態下のドラマである。
重い話だが、あまり暗くならないのが増村保造の映画だなあ。
どこか嘘っぽい。それは別に傷ではないんだが。
作り事として楽しめる。
大映という映画会社のカラーでもあるようだ。
80年代のTVドラマには大映制作の名作が多かった。
「スチュワーデス物語」「ポニーテールは振り向かない」
「不良少女とよばれて」「少女に何が起こったか」・・・。
堀ちえみとか松村雄基、伊藤かずえらがよく出ていたやつ。
名古屋章も必ず出ていた。
我々の世代、おそらく今20代後半から30代の人が子ども時代に
必ず見ているドラマだ。
やたら大げさで、こってりと濃い(嘘くさい)。
本当になつかしい。
「教官!」とか「ドジでのろまな亀・・・」とか
「うすぎたねえシンデレラ!」とか。
あの頃一世を風靡していたな。
「赤い天使」では、ヒロインと軍医がやがて愛し合うようになる。
「スチュワーデス物語」の「教官!」の原型がここにあった。
「軍医どの!」
「西!」
「さくらと呼んで・・・」
「さくら・・・愛している」
こら!
ここは戦場ですよ!
そんなことしてる場合か!
てな具合で、今見ると結構笑える。
「軍医どの」芦田信介のダンディさにもシビれる。
昔見た大映ドラマの記憶がよみがえる映画。
赤い天使
日本 1966年
監督:増村保造
出演:若尾文子、芦田伸介、川津祐介、他
・赤い天使(goo映画)
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